小ネタ。コウヤ


 「大ちゃんはさ。狡いよね」
 浅倉の手を取ってキスを落としながら貴水がため息交じりに言った。
 「ボクが?何でよ」
 「無自覚だもんね」
 勿体振った言い方でニヤと笑った貴水に拗ねた様な表情で貴水を見つめる浅倉。
 「どうせボクは鈍いですよー」
 「はは。ごめん。大ちゃんはそんなところも可愛いよ?」
 そう笑った貴水に思わず見とれて頬を染める。
 「可愛いって言えばボクが喜ぶと思って」
 「ん?そんな事ないよ。本当に可愛いから言ってるんだよ」
 浅倉の髪に指を伸ばす貴水。
 「…それが狡いよね。触れずにはいられない」
 目を細めて低い声で言った貴水に恍惚として。
 「もう、ヒロもそういうとこが狡いね」
 「うん?じゃあお互い様ってことで」
 「イイ大人なのに酷い盲目振りだね」
 「イイ大人だからだよ。隠したってしょうがないでしょ?」
 「…そだね」
 貴水の言葉に嬉しさを滲ませると、浅倉は貴水を引き寄せる様に腕を伸ばした─。

2013.01.10 by 管理人

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